税理士の経営・財産・相続トピックスVol.090「コミュニケーションコストが隠れている」
コミュニケーションコストが与える影響
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二
様々な呼び方がありますが、ここでは分かりやすく「コミュニケーションコスト」とします。
損益計算書には数字として明確になるコストと、数字には現れないコストがあります。
その典型的なものは「コミュニケーションコスト」です。
コミュニケーションコストは、財務分析の数値には現れるのですが、損益計算書に直接表現されるものではないので、経営者としては意識するのが難しいコストです。
しかしながら組織にとっては大変重要なコストです。
コミュニケーションコストが高い組織とコミュニケーションコストを殆ど感じない組織では、生産性と利益は圧倒的に違います。
同じような業種業態で規模も同等でも、売上・利益に代表される生産性、そして品質・リスクに対するコンプライアンスやリスクマネージメントの差は、コミュニケーションコストが要因であることが多々あります。
「コミュニケーションコスト」の定義はいろいろあるでしょう。
また、以心伝心、阿吽の呼吸など、コミュニケーションコストが低い例えを表現する言葉は世界中にあります。
コミュニケーションコストが限りなく低ければビジネスチャンスは大きく拡大するでしょう。そして利益率は高くなり、品質が向上することは間違いありません。
コミュニケーションコストを低くするために人事制度、仕組み、システムを入れることで対応し、改善しようとすることがあります。
しかしながらそれだけではコミュニケーションコストは改善しません。
放っておいたら組織の中ではコミュニケーションの壁はどんどん大きくなります。その壁を可能な限り大きくしないよう、常に工夫する役割は役員であり幹部にあるのです。
損益計算書の売上原価にも、販売費一般管理費にも、そして売上にも、大きいコミュニケーションコストが隠れています。まず、その存在を認識しましょう。
経営陣が知っておくべき重要なマネージメント、そして管理会計の言葉です。
2021年3月1日
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二
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